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なぜ、次世代育成支援なのか?


 1、「次世代育成支援」とは

 急速な少子化の進行と、家庭や地域を取り巻く環境の変化に対処して、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、育成される環境の整備のために、子どもや子育て家庭を社会全体で支援する取り組みのことで、「地域における子育て支援」「仕事と子育ての両立支援(男性を含めた働き方の見直し)」「社会保障における次世代支援」「子どもの社会性の向上や自立の促進」など、自治体が講じる施策や事業主が行う雇用環境整備のことをいいます。

 2、人口減少社会

 2005年に発表された合計特殊出生率が、1.25(三重県1.29)と過去最低を更新するとともに、同年の死亡数が出生数を上回り、人口減少社会に突入しました。生まれてくる子どもの数についても、今後の50年間で約50万人減少すると予測され、将来の社会を担う子どもが急速に少なくなっていくことは、生産力の低下や社会保障制度の破綻など、日本の経済社会に深刻な影響を与えることが見込まれています。

図1 出生数および合計特殊出生率の年次推移

※・合計特殊出生率・・・一人の女性が平均して何人の子どもを産むかを示す推計値(資料:厚生労働省)

 3、少子化が企業に及ぼす影響

 少子化による労働人口の減少に伴い人材の確保が難しくなり、特に若年労働力の減少が深刻な状況になります。また、総人口の減少による市場規模の縮小に伴い、消費者の絶対数が減ることによって、現在の企業規模を将来的に維持していくことが困難になり、事業の縮小や転換を余儀なくされる企業が出てくることが考えられます。さらに、年金・健康保険・失業保険など社会保障の企業負担も増大することが予測されます。

 4、これまでの少子化対策

 1992年の育児休業法の施行、1994年のエンゼルプラン・1999年の新エンゼルプランの制定等、1990年代を通じて少子化対策が提言され、保育サービスの充実を中心に仕事と子育ての両立支援対策が進められましたが、出生率の低下は止まらず、今後も少子化が進行することが予想されています。そのような状況を踏まえて少子化の流れを変えるため、国・地方公共団体・企業等が一体となり、総合対策を進める基盤として、2003年7月に「次世代育成支援対策推進法」が成立しました。

 5、次世代育成支援対策推進法

 この法律は、次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ育成される環境の整備を図るため、次世代育成支援対策について基本理念を定め、国の行動計画策定指針や、地方公共団体及び事業主による行動計画策定などの次世代育成支援対策を迅速かつ重点的に推進するもので、2005年4月に施行されました。主な内容としては、地域の子育て機能の再生など、県や市町の行動計画策定を義務付けるとともに、従業員301人以上の企業に働き方の見直しなど、一般事業主行動計画の策定を義務付け、目標・取組内容・実施時期などを定めて取り組みを推進するものです(なお、2011年4月から従業員101人以上の企業に対しても行動計画の策定が義務付けられています。従業員100人以下の企業は、努力義務とされています。)。
 

 6、企業に期待される役割

 少子化の流れを変えるため、企業においても、従業員の職業生活と家庭生活の両立を支援するための雇用環境の整備や、働き方の見直しによる多様な労働条件の整備、地域貢献など、以下のような次世代育成支援対策に取り組むことが求められています。

1.自社の従業員に対する雇用環境の整備に関する事項

  • 妊娠中及び出産後における配慮
  • 子どもの出生時における父親の休暇取得の促進
  • 法を上回る、より利用しやすい育児休業制度の実施
  • 育児休業を取得しやすく、職場復帰しやすい環境の整備
  • 短時間勤務制度等、労働者が子育てのための時間を確保しやすくする措置の実施
  • 子どもの看護のための休暇の実施
  • 所定外労働の削減など、従来の働き方の見直し
  • 職場優先の意識や固定的な性別役割分担意識の是正のための意識啓発

2.次世代育成を応援する地域貢献に関する事項

  • 子ども・子育てに関する地域貢献活動の実施
  • 子どもが保護者の働いているところを見ることができる「子ども参観日」の実施
  • インターンシップやトライアル雇用等を通じた若年者の安定就労・自立生活の推進

 7、企業が次世代育成支援に取り組むメリット

 将来人口の推計を見ると、生産年齢人口(15〜64歳)は、2035年には2005年の約75%まで、2055年には約55%まで減少する見通しです。これらは近い将来、未曾有の求人難時代が来ることを示しています。
 そのような状況をふまえて、企業が次世代育成支援に取り組み、仕事と子育ての両立に必要な雇用環境を整備し、女性労働力を積極的に活用することは、企業の競争力を維持・向上させるうえで重要な戦略であり、優秀な人材の確保・社内モラル上昇による生産力向上や企業イメージのアップなどのメリットがあります。

〜50年後の日本人口〜

(資料:国立社会保障・人口問題研究所)

 8、三重県の状況

 県では、2010年3月に「第二期三重県次世代育成支援行動計画」を策定し、行政が行う環境整備とともに、多様な主体の参画・協働・連携による『ささえあいの地域社会づくり』をめざして取り組んでいます。また、各市町でも行動計画が策定されています。企業については、これまで計画策定の義務のあった従業員301人以上の企業が、一般事業主行動計画を策定してきており、2011年4月から従業員101人以上の企業に対しても策定が義務付けられたところです。

常用雇用者規模別民営事業所数及び従業者数
  100人以上 100人未満
事業所数 829(1.0%) 81,500(99.0%) 82,329事業所
従業者数 211,307(27.7%) 552,569(72.3%) 763,876人
 (資料:総務省統計局H18年事業所・企業統計調査)

 9、「みえ次世代育成応援ネットワーク」の発足

 企業にも仕事と子育ての両立支援の取り組みが求められるなか、平成17年から各経済団体を中心に話し合いを行いました。その結果、それぞれの企業の実情に応じた取り組みが可能な「地域貢献活動」を三重県型の次世代育成の大きな柱としてとらえ、事業者の大半を占める従業員が300人以下の企業が、地域の団体などとともに主体的に参画する『みえ次世代育成応援ネットワーク』が、平成18年6月20日に発足しました。

 10、「みえ次世代育成応援ネットワーク」とは

 『みえ次世代育成応援ネットワーク』は、子ども・子育て家庭を応援する企業や団体が知恵や資源を持ち寄り、連携や補い合うための出会いの場です。それぞれの取り組みを「みえ次世代ネット」で紹介したり、みんなで参加できる提案の実施や、活動のパートナーさがしを行います。次世代育成支援事業やイベントなどは、地域の団体や自治体と連携・協働で行うことができ、ボランティアの活用も有効です。
 このネットワークを通じて、地域の子育て支援活動と結びつき、次代を担う三重の子どもたちが健やかに育まれ、子どもを産み育てることに夢や希望の持てる「ささえあい」の地域社会づくりをいっしょに行いましょう。